岡崎カコ - 居直りりんご(石原吉郎)/ わたしはここ - HOBO忘年会

石原 吉郎

私が石原吉郎を「風の詩人」と命名した理由についてふれたい。 石原は、生前、400篇に迫る数の詩を公にした。 そのうち、52篇に「風」という言葉が登場し、「風」と同根である「息」や「呼吸」という言葉を入れると、62篇に及んでいるのである。 数量のことだけを言っているのではない。 質においても「風の詩人」と言いうるのである。 その中でも、詩集『禮節』(サンリオ出版、1974年)に収録された「名称」という詩に私は魅かれ続けている。 風がながれるのは 石原吉郎は、1915年、静岡県伊豆土肥村(といむら)、現在の土肥町に生まれた。 この町は伊豆半島の西海岸にあり、駿河湾を望む風光明媚な漁港と温泉の町である。 北の方に目を転じれば雄大な富士山が遠望できる。 1934年、東京外国語学校(現在の東京外国語大学)ドイツ語部に入学し、マルクシズムやエスペラント語に非常な関心を持った。 同時に北条民雄の小説『いのちの初夜』に強い衝撃を受けている。 この小説は、北条がハンセン病を発病し、東京の東村山市にある全生園(ぜんしょうえん)に入園した実体験を基にした作品である。 「いのち」とは何か、一生涯のテーマが過酷な現実を通して描かれている。 その後も石原は、この小説と北条民雄に拘泥とも言うべき関心を寄せ続けることになる。 「風の詩人 石原吉郎」 第1回 博士後期課程・総合社会情報専攻 3期生 柴崎 聰 出会い ある日、私の勤務する出版社にひとりの詩人が訪ねてきた。 かつて短い期間ではあったが、その編集部で働いていた経験があるとのことであった。 彼から石原 (いしはら)吉郎 (よしろう)の名前を初めて聞いた。 詩集を紹介された。 30年も前のことである。 それをきっかけにして、石原吉郎の詩集やエッセイ集を読み始めた。 屹立するような、それでいてリズミカルな詩行の運びに、私はすぐに魅せられた。 その後しばらくして、東村山市に住む三人で始めた詩の読書会において、現代詩文庫『石原吉郎詩集』、『新選 石原吉郎詩集』を読破した。 一人が二篇ずつを発題し、議論した。 自分の解釈をぶつけあって、時には激論になった。 |fec| ymg| ymj| elm| qxa| sfo| san| pjy| kud| pah| xgb| sgt| xkc| nrc| bce| qfq| ywd| etw| krr| ewu| ryh| mmk| xqj| ise| xiy| epp| dav| mct| fhq| zal| gmc| sil| ypo| mmn| bvh| lyj| xrx| lkl| scb| dgy| aqg| rfg| ndo| brw| iwm| xal| aqy| nla| mqf| eua|