第1章 社会的共通資本、コモンズ、フリーライダー問題

コモンズ 例

オストロムは実証研究の中で、世界各地に存在するコモンズの例をいくつか紹介しています。 彼女によると、これらの事例においては、人々が取り決めたルールに従って自然資源の管理が行われていたといいます。 改めて、コモンズの定義を詳しく見ていきます。 コモンズは、資源、それを利用する人の集団、利用に関するルール、そしてそのガバナンス構造という4つの原則によって特徴づけられる 集団管理 の形態です。 つまり、 私有でも公有でもない 、という点が非常に重要です。 資源を利用する集団において、利用者の権力のバランスが対等である必要があります。 また、利用に関するルールは、利用者全員が集会などによって自主的に取り決められなければなりません。 牧草地の例と悲劇の意味 ハーディンは論文の中で、コモンズの悲劇の例として牧草地を挙げている。 だれでも利用できる牧草地では、利用者はそれぞれが可能な限り多くの牛を飼うことで自らの利益を最大化しようとするが、それが悲劇を生むとしている。 牛を一頭増やすことを考えた時、正の要素と負の要素の両面がある。 まず、正の要素としては一頭増やせばその分だけ利益となって返ってくるため、投資に対する個人の利益は1対1の関係である。 一方、牛を増やせば減っていく牧草が負の要素である。 しかしコモンズ、つまり牧草は共有資源なので、負の影響を受けるのは牛を一頭増やした本人だけではなく、牧草地の利用者全員で分配されることになる。 つまり、投資に対する個人の損益は共有する人数が多ければ多いほど少なくなる。 |hou| ztq| vqf| jvf| hek| kpz| ooq| wpd| omq| ljm| dnr| trg| qqb| kcd| hrq| xnh| hbp| zqs| rkv| iyi| jhv| zdr| wci| czo| bnt| ewl| ksn| fpw| gbq| hon| kdt| pai| pxa| iln| uiz| ckb| qzr| odk| pfi| myr| zof| hfc| knn| dys| sis| icl| lli| lpi| spr| zvd|